てんかん・頸髄損傷と向き合うあなたへ次世代医療技術が切り拓く、
あなたの健康な未来。

5 years later...

てんかん発作を
検知して
発生を抑制
できるように

10 years later...

頚髄損傷により
麻痺した身体を
想像通りに
動かせるように

わたしたちは、
脳内で情報を処理する仕組みを理解することで、
神経医療機器の開発を目指しています。

わたしたち研究グループは、生命理工学院の3つの研究室(赤間研究室・藤枝研究室・宮下研究室)から構成されている、生命理工オープンイノベーションハブ の一員です。

また、久保田有一医師と園田真樹医師、ならびに株式会社INOPASE社と株式会社ユニークメディカル社に協働していただいています。

現在は電気的な神経修飾技術と情報復号技術を有効に適用すべく電極の開発から進めています。

脳が、私たちの身体の動きを司っています。

860億個の神経細胞

脳は860億個の神経細胞から構成されています。

神経細胞には一般的に、樹状突起・細胞体・軸索の3つの部位があります。

各々の部位は、信号の入力・統合・出力を担っています。

シナプスを介して
神経回路を構築

神経細胞はシナプスを介して神経回路を構築しています。

シナプスを介して神経細胞同士が結合することにより複雑なネットワークを形成しています。

この神経回路によって、知覚・思考・運動など意識的な情報処理のみならず、身体の恒常性を保つための無意識的な情報処理も行っています。

電気信号で情報を
伝える

シナプスでは化学物質が情報の担い手になっています。

この化学物質を受容した神経細胞に電位変化が発生し、活動電位が軸索を伝導して、シナプス結合している神経細胞に情報を伝えます。

電気活動を変化させたり、
電気活動を読み解く

細胞の近くに電極を設置して電気刺激することによって、神経細胞電気活動を変化させること=神経修飾ができます。

また、その電極から神経細胞の電気活動を計測して、その情報を読み解くこと=情報復号もできます。

薄くて柔らかい電極の開発

わたしたちは大脳皮質の表面に貼り付ける薄くて柔らかい電極薄膜電極を開発しています。

大脳皮質表面に設置するタイプの電極は頭蓋内電極として製品化されています。国内ではてんかん焦点診断に、国外ではてんかん治療にも使用されてきています。

薄膜電極は、薄い基材に電極配線パターンを印刷して製造します。

既存品と比べて非常に薄くて柔らかいので、大脳皮質に対する機械的な侵襲性が小さく、また、脳表の凹凸に対する追従性よく広範囲に電極を貼付することが可能になると期待されています。

ウェアラブルなてんかん治療機器で難治性てんかん患者さんのQOL向上に貢献する

わたしたちは薄膜電極を使用したウェアラブルなてんかん治療機器を開発しています。

薄膜電極で電位計測をし、てんかん焦点部位を推定し、その部位を電気刺激することによって、てんかん発作の発生を抑制する装置です。これは電気刺激による神経修飾技術を応用しています。

薄膜電極を大脳皮質表面に広範囲に貼付することが可能なことから、国外の既製品と比べて治療効果が高くなることが期待できます。このような装置が医療機器として認証されれば、難治性てんかん患者さんのQOL向上に貢献できると確信しています。

モデル動物によるてんかん様活動の計測

この動画は、モデル動物を用いててんかん様活動がどの部分で発生しているかを計測した結果を示しています。赤い部分は脳の活動が最も高い部分を表しており、青い部分は脳の活動が最も低い部分を表しています。このような細密な計測は、てんかん焦点部位の診断や電気刺激による治療にかかせません。

てんかん波の抑制のイメージ

頚髄損傷患者さんの飛躍的なQOL向上に貢献するBMIとBCI

わたしたちは薄膜電極を使用したウェアラブルなデコーダの開発に取り組んでいます。

デコーダは薄膜電極で計測した電気活動から情報復号するための装置です。

復号された情報は、義手などのマシンを制御するための信号(BMI:ブレインマシンインタフェース)として使用されたり、コンピュータを操作するための信号(BCI:ブレインコンピュータインタフェース)として使用されます。

わたしたちは身体の上肢運動を制御している大脳皮質領野に着目し、神経科学的知見に基づいて、計算負荷の小さいデコーダを構築します。

このような装置が実現できれば、頚髄損傷患者さんの飛躍的なQOL向上に貢献できると確信しています。

論文・特許

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